
「100点でないといけない」「完璧でないといけない」と考えすぎる『完璧主義』。
大なり小なり人にはこだわりや完璧に仕上げたいという気持ちがあるかもしれませんが、その傾向が強すぎると他人だけでなく自分の首をも締めるような生き方になってしまうことがあります。
『完璧主義』すぎることが苦しくてなんとかやめたいと思ってもなかなかやめられず、完璧主義な自分を責めてしまうこともあります。
そのような自分を苦しめてしまう『完璧主義』になぜなってしまうのか、どのようにすれば少しでも緩和することができるのでしょうか。
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完璧主義な人の特徴とは?

完璧主義と言われる人にはどのような特徴があるのでしょうか。
100か0かで考えてしまう
完璧主義の人は評価基準が100か0という極端な発想になりがちです。
例えば試験においても100点でないと意味がない・嬉しくないと感じて100点を取れないならば0点でも構わないと投げ出してしまうこともあるのです。
もちろん仕事において完璧を求められるような作業もありますが(医者や精密な工業製品など)、日常生活において常に100か0かで判断してしまうとどうしても生きづらくなってしまいます。
全ての人に認められないと気が済まない
完璧主義の人は自分の行動・生き方・考え方などが周りの人全てに認められるようなものでならないと考えてしまうことがあります。
全ての人に認められたり受け入れられたりすることはほとんどの場合ないことなのですが、それでも認められようとして虚勢を張ったり嘘をついたり、あるいは他人を蹴落としてでも1番になろうとしてしまうことがあります。
自分の考え方を認めない人はひどい人間だと決めつけてしまったり、他人と軋轢を生んだりうまくコミュニケーションがとれなくなってしまうこともあるでしょう。
他人に対しても完璧を求めすぎてしまうことも
人付き合いにおいて完璧主義な人は相手にも完璧さ・理想の姿といったものを求めすぎてしまう傾向があります。
自分の考え方と合うような完璧さを持った人間しか認められず、相手をコントロールしようとしてしまったり相手に批判的な態度を取ることもあるでしょう。
自分の考える『完璧さ』が全てだと考えてしまっていることがあるので、それを押し付けられてしまう人は関係が嫌になって離れていってしまうこともあるでしょう。
途中で諦めてしまいがち
完璧主義が強すぎると「継続して何かを続ける」ということが困難になります。
常に完璧、常に認められるような存在であり結果を残さなくてはならないと考えすぎてしまうので中途半端になりそうならばいっそ投げ出ししまえ、と考えるのです。
人間いつでも万全に体勢を整えることができずに失敗してしまうことがありますが、完璧主義な人はそんな自分を認めることができず完遂できそうに無いと判断するとその時点で全てを投げ出してしまいます。
白か黒で判断しないと気が済まない
物事に対して良い・悪いを決めないと納得できない部分が多いので何か問題があっても誰が悪いか、どちらが悪いかということを決めないと気がすまない事があります。
出来事に人それぞれ様々な事情が絡み合っていても「〜が悪い」「〜はいい人」と一方的な考え方・視点でしか捉えることしかできないので一度悪いと決めつけた人とはなかなか打ち解け合うことができません。
また極端に批判したりして必要以上に敵を作ってしまうこともあります。
人を頼ることができない
完璧主義な人は『完璧な自分』というものを崩したり弱音を吐いたりやできないところを見せることができないので人を頼るということができなくなってしまいます。
なんでも自分で完璧にやらなくてはならない、人を頼るような自分は完璧な自分ではない、弱音を見せたりすれば完璧さが崩れてしまうという意識が先行して一人抱え込んでしまうこともあるでしょう。
期待に応えられないとダメだと考えすぎてしまう
他人から頼み事やお願いをされた時に、その期待に応えなくては嫌われてしまう、見捨てられてしまうという反応をしてしまうことがあります。
他人の期待に応えられないような自分では認められないんだと考えてしまうので人間関係に対しても及び腰になってしまいますし、どんな頼み事も断れない状況になってしまい他人のために生きすぎてしまう人生になる恐れもあります。
完璧主義だとどんな影響があるの?

完璧主義すぎると生活に一体どのような影響を及ぼすことがあるのでしょうか。
何事も続かなくなってしまう
特徴の項でも挙げましたが、完璧主義がすぎるとどのようなことも100か0でしか見られず中途半端にするくらいなら、と何事も投げ出しがちになってしまうのです。
仕事や人間関係、スポーツや趣味などにおいて『純粋に楽しむ』ということよりも『完璧さ』『人よりも良くできているか』という部分に着目してしまうので自分より上手くできる人がいたり成果が出ないようなことが続くと続けられず辞めてしまいます。
嘘をついたり無理をしすぎる原因にも
完璧主義が強い人はその『完璧な自分像』というものを崩すことを恐れて周囲の人に対して見栄をはったり嘘をついたり、あるいは無理をしてでも物事を抱え込みすぎてしまうこともあります。
嘘をついたり見栄を張り続けているとそれを守り続けるだけで人生が疲弊してしまいますし、無理をしすぎていてもいずれほころびが生じて体や心を壊してしまうこともあるでしょう。
特に嘘をついたり見栄を張ったりして自分の完璧さを守ろうとし続ければ人間関係が増えればその分合わせる人や嘘をつく相手が増えて整合性が取れなくなってフェードアウトしてしまうこともあります。
人に頼まれやすいという一面もある
完璧主義な人は「あの人ならやってくれそう」「完璧にこなしてくれそう」という認識を持たれて仕事や物事を頼まれやすくなるということがあります。
頼ってもらえること、任せてもらえることが嬉しいと感じる部分もあるかもしれませんがどのような時も完璧にこなさなくては、という意識が強すぎて自分の抱えられないほどの仕事や問題が山積みになってしまうこともあるでしょう。
人間関係が破綻してしまうことも
他人に対して嘘をついたり無理をしすぎてしまうこと、人に頼られることがあることが行き過ぎると『人間関係』そのものにも軋轢が生まれてしまいます。
人に合わせすぎたり抱え込み過ぎること、そして他人に対しても完璧さを求めすぎると相手にとっては一緒にいることが息苦しい人に写ってしまうことがあるのです。
過剰な完璧主義は大きな問題を孕んでいると言えるでしょう。
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なぜ完璧主義な性格になるの?

完璧主義になってしまうのには一体どのような原因があるのでしょうか。
幼いころに完璧を求められすぎた
大きな要因の1つとしては幼い頃にテストやスポーツで『完璧さ』を求められすぎたことが挙げられます。
テストは100点でないと褒められなかったり、スポーツでも1番にならないと認めてもらえなかったり。
自分の努力している姿や楽しんでいることを認めてもらうことがあまりできなかったと感じて成長してきたために、大人になってからも『認めてもらえるように』完璧に頑張らないといけないと考えすぎてしまうのです。
完璧でないと受け入れてもらえないのではないかという恐れ
幼いころの厳しい教育や失敗・うまくいかないことを受け入れてもらえなかった記憶が染み付いてしまうと大人になっても『完璧でない自分は愛されない』と考えてしまうようになります。
しかし、物事の全てに完璧さ、100点満点があるかと問われるとそうではありません。
テストでは満点があっても人間関係や仕事には点数などつけようがありません。
そのような『点数の付けられないもの』に対しても完璧にしないといけないという心理が強く働いて前にも後ろにも進むことができなくなってしまいます。
何事も完璧にこなさなくては愛されないという深い思い込みが自分自身を『完璧主義』という苦しい状態に追い込んでしまうのです。
完璧主義な性格を解消するにはどうすれば良いの?

完璧主義な性格は自分を追い詰め過ぎたり途中で挫折してしまう要因にもなります。
完璧主義を少しでも和らげるためには一体どのように行動していけばよいのでしょうか。
低い目標を決めておこう
完璧主義を少しでも和らげていくためにも、『低い目標を決めておく』ということが有効です。
自分にとって「簡単だな」「できるだろう」と無理なく思えるような目標を決めておいて、その目標が達成できれば自分に対して「よくやったね」「素晴らしい」と言葉をかけてあげたり美味しいものを買って褒めていきましょう。
毎朝ランニングが困難であれば週一でもランニングを、と決めてそれを達成できれば褒めていくのです。
簡単なところで言えば「掃除」「勉強」「日記を書く」など継続して行うことに対してとても簡単な目標を決めてみましょう。
普段から小さな目標でも自分を認めてあげることを続けていけば「常に無理をするような目標を立てなくても良いんだ」と考えられるようになります。
目標を達成できなかった時にもしっかりとケアを
簡単な目標でも人間であれば達成できない時とうものは存在します。
その時に「仕方がない」「まあ良いや」と思えれば気楽なのですが、同時に「そんなに甘くてはいつまでも進歩がない」と考えてしまうこともあるでしょう。
目標が達成できずに自分を責めてしまうこともあると思いますが、その時は「自分を責めることを許す」ということを忘れずにいましょう。
目標を達成できなかったりうまくできなかった自分を責めてしまって、「やっぱり自分はダメなんだ」「完璧にできないから意味がない」と投げ出していつまでも自分を責めたり完璧主義を貫きすぎてしまうループに陥ってしまうこともあります。
「自分を責める」という気持ちは自然と湧き上がってくることもあるので、それを無理に止めることはありません。
無理に止めると自分の気持ちを否定したことになりますます自分を追い詰めてしまいます。
「自分を責めているな」ということに気づいていき、同時に「それでも良いんだよ」「それでも愛されているんだよ」という言葉を投げかけていきましょう。
一度や二度では完璧にできない自分を責める癖は抜けませんが、何度も繰り返し自分に声をかけてあげることで少しづつでも楽になっていきます。
順番にこだわらない
完璧主義な人は結果へのこだわりと同時に『道順』『やり方』にこだわりすぎてうまくいかない時に諦めてしまうことがあります。
A→B→Cという順序でしかダメなんだ、と考えすぎていて他の順序に柔軟に切り替えることができません。
違う道のりで試してみれば案外スムーズに行くかもしれないということを知るために『順番』へのこだわりを一度外してみるのはどうでしょうか。
いつも同じやり方、同じ順序で試して途中で投げ出していたけど違うやり方でも問題なかったということを知れば完璧主義が和らぐきっかけにもなります。
完了主義を目指してみる
完璧主義をやめたい場合には『完了主義』を目指してみるのも1つの手です。
完了主義とは「とりあえず一通り終わらせてみる」ということを意識して取り組むということです。
細部にこだわることは大切ですが、そこにこだわりすぎて何事も続かないと感じている場合にはあえて80点くらいを目指して完了させてみます。
手を抜けないと感じるところは細部に気を使ってやることが大切ですが、少しでも楽な気持ちでやっても大丈夫そうなことは目標の全体像が達成できれば良しとしてみましょう。
テスト勉強や仕事でも細部のチェックはひとまず置いておいて、一通り最後まで目を通したり終わらせることが大切です。
完璧でなくとも愛されていると言い聞かせよう
完璧主義の傾向が強い人は『完璧にこなさないと愛されなくなる』『完璧にやりとげないと見捨てられる』という思い込みをしてしまっていることがあります。
幼いころに親や大人の理想に添えなくて怒られたり受け止めてもらえなかった時にそう思い込みやすいのですが、その認識が「勘違いである」ということをしっかりと意識する必要があります。
過去の出来事において様々な事情で「受け入れてもらえなかった」と感じてしまうことがありますがそれは幼いころの1つの視点でそう認識してしまっているだけなのです。
親や大人は自分に対して「将来困らないために」「色々とできることを増やしてあげたい」という気持ちで期待をかけたり怒ったりすることがほとんどではなかったでしょうか。
あるいは注意した人にも各々心理状況や仕方のない背景があるものです。
自分自身に対しても相手に対しても、「完璧でないと許されないと思い込むのは仕方がなかった」「完璧でなくとも良いけど勘違いしてしまっていた」「受け入れられないと思ってしまった」ということを語りかけてあげましょう。
過去の出来事を許していくことで『自分は完璧にできないことがあっても受け入れられるんだ』という気持ちが芽生えていきます。
時間のかかることかもしれませんが、『愛されているんだ』という認識・前提を持って生活ができれば普段から無理しすぎたり取り繕い過ぎたりすることが減っていくことでしょう。
まとめ

いかがでしたでしょうか。
完璧主義というのは人によっては「立派な人」「頼りになる人」と捉えられることもありますし「硬い人」「難しい人」と捉えられることもあります。
そしてそれ以上に完璧主義であることに本人が一番苦しんでいることもあるのです。
他人の期待に応えようとしすぎたり取り繕おうとしすぎて心も体も蝕まれてしまうことがあります。
そのような完璧主義から少しでも脱するためには、
・あえて低い目標を立てて、達成した自分をしっかり褒めてあげる
・失敗して自分を責めてしまっても大丈夫なので、最後には必ず受け入れてあげる
・順番や形式にこだわりすぎず、完璧さよりも『完了』させることだけ目標にしておく
・『完璧でなくとも愛されている』という言葉を何度も語りかけてあげる
ことを実践してみましょう。
少しでも完璧主義が和らげば物事の継続や人間関係に対しての気軽さが生まれるので、人生をより楽しいものに変化させてくれるでしょう。
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