
生活の中で避けられない『コミュニケーション』。
人によって程度の差はありますが、私たちは完全に一人で生きていくことはできずなんらかの形で人と関わって生きています。
その中で自分の意見と合う人と合わない人が出てきたり、あるいは質問したり否定したり何らかの発言をしたくなることが誰にでもあります。
しかしそのような状況で『自分の言いたいことを言う』ということが困難なこともあるのではないでしょうか。
「はっきりと意見や思っていることをを言えたら良いのにな」「言いたいことが言えないな」という時には一体どのような心理や原因があり、『言いたいことを言う』ためには一体どのような考え方や方法が必要となってくるのでしょうか。
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目次
言いたいことが言えない人の心理や特徴とは?

言いたいことが言えない人にはどのような心理的特徴が存在するのでしょうか。
本心を言うと嫌われると考えてしまう
1つには、『自分の本心をさらけ出したりして嫌われることが怖い』という心理があります。
言いたいことを言うとぶつかったり意見の合わない人と対立してしまうのではないかと考えて言いたいことが言えなくなってしまいます。
必ずしもぶつかるとは限りませんし、自分の言いたいことを言うことによって関係がより円滑になったりするのですがどうしても『嫌われるのではないか』という恐れが働いてうまく発言できなくなってしまうのです。
周りの人に合わせすぎてしまう
言いたいことが言えない人にありがちなのが、『周りの人に合わせすぎてしまう』ということです。
それも特定の一人に対してではなく大勢の人に合わせようとするため、あの人にも合わせてこの人にも合わせなくてはと考えているうちに無理が生じて肝心の自分の言いたいことが言えなくなってしまうのです。
百人いたら百人と合わせることは不可能なので、発言できなくなってしまいます。
良いことを言わなくてはならないと考えすぎてしまう
自分が発言する際に、「何かうまいことを言わなくては」「面白いことを言わなくては」「間違ってはいけない」という風に発言に対して自分自身で過剰にプレッシャーを与えてしまうため、結果的に言いたいことを言えないという場合もあります。
特に日常会話や仕事の会話においていつも素晴らしい発言・意味のある発言を、と考えすぎてしまうと会話の流れにも乗りにくくどうしてもタイミングを逃しがちです。
衝突を避けたいという気持ち
自分の言いたいことを言うと必ずしも人とぶつかるわけではありませんが、言いたいことを言えない時には根底に「自分が我慢すれば良い」「言わずにいれば衝突を避けられる」という気持ちが働きすぎていることがあるのです。
言いたいことが言えなくなる原因とは?

言いたいことが言えないという人は何が原因でそのような心理になるのでしょうか。
言いたいことを言っても受け止めてもらえなかった過去
過去、特に幼少期において自分の意見や考え方を受け止めてもらえなかったことが起因していることがあります。
「僕・私はこう思う、こうしたい」という事を伝えても親などに反対されたり受け入れてもらえなかったり、あるいは一方的に意見を押し付けられたり我慢することが続きすぎると「自分の意見には価値がない」「何を言ってもムダなんだ」という風に解釈してしまい、大人になっても自分の言いたいことを言わずに抑えてしまうようになってしまうことがあるのです。
自己肯定感が少なくなってしまっている
自分の発言に対して自信を持ったり間違ったり失敗しても大丈夫と思えるようになるには「自己肯定感」が必要になってきます。
自分は大丈夫、自分は間違ったり失敗しても愛されていると考えられる自己肯定感が足りないままでいると「こんな発言をしても大丈夫なのだろうか」「間違ったことを言ってしまったら取り返しがつかないのではないか」と過剰に心配になってしまいます。
自分の根底に「自分は愛されている」「自分は大丈夫」という認識があれば考えすぎず言いたいことを言えるようになるのです。
言いたいことを言わないことのメリット・デメリットとは?

言いたいことを言わないことには良い面と悪い面があると考えられます。
衝突を避けられることもある
言いたいことを言った時に意見の合わない人と衝突することを避けられる可能性があります。
言いたいことを言うというのは大切なことなのですが、どうしてもそれを好まない人や合わない人というのが出て来ることはあるものです。
そのような時に起こり得る衝突を避けるために「言いたいことを言わない」という選択肢を取ることがあるかもしれません。
ストレスが溜まってしまう
言いたいことを言えないということはとてもストレスの溜まってしまうものです。
自分の感情や気持ちを吐き出さずに溜め込みすぎて我慢したり無視したりすることはある種「自分のことを否定する」ことにも繋がってしまいます。
そのストレスは肉体はもちろん精神も蝕んでしまうので、あまりにも溜め込みすぎることは病気の元にもなることがあります。
自分の望まないことまで抱え込んでしまうことも
言いたいことを言わずにいるとどうしても断りたいことやできないことまで無理をして抱え込んでしまうことがあります。
「自分には今はできない」「今は難しい」「手伝って欲しい」といった事を伝えられないので自分一人で解決しようとしてパンクしてしまうのです。
その結果仕事や目標を断念することにもつながってしまう恐れもあるのです。
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言いたいことを言うメリット・デメリットとは?

言いたいことを言うことにはどのような効果や影響があるのでしょうか。
周囲から理解されやすくなる
言いたいことを言わずにいると周囲からどのような人物なのかを理解されにくくなってしまいます。
「あの人は何を考えているのか分からない」「何も言ってくれない」といった状況を避けることができるので自然と打ち解けることができるようにもなるでしょう。
自分で行動を選択できるようになる
言いたいことを言わないままでいると自分がどうしてもやりたくないことや望まないことが止めどなく溢れかえってしまうことがあります。
他の人からすれば「できないことややりたくないこととは聞いていない」と感じられるのですが、自分の気持ちを伝えていないのであらゆることを抱え込んでしまうことにもなってしまうことがあるのです。
自分はこれがしたい、これはできないといったことを言えるようになれば自分の行動をある程度選択できるようになるので過剰にストレスや問題を抱え込みすぎることも減るでしょう。
批判されることもある
言いたいことを言うとその意見や考え方と合わない人から批判されたり否定されることがあるかもしれません。
人はそれぞれ価値観や考え方が異なるので避けられないことと言えば避けられないことかもしれません。
言いたいことを言う人になるためには?

言いたいことを言える人になるためには一体どのような取り組み・考え方が必要になってくるのでしょうか。
ノートなどに気持ちを書き出してみる
いきなり言葉に出して自分の気持ちや意見を伝えることが困難な場合には、ノートやメモに自分の気持ちを書き出してみることをオススメします。
自分の気持ちを書き出すことには「自分の気持ちを受け入れる」ということと「自分の気持ちを客観的に確認できる」という側面で効果があります。
ノートなどに気持ちを書き出すことによって一時的にも気持ちは楽にもなりますし、言いたいことが言えていない時に溜まっているストレスを少しでも解消することが可能になります。
自分の『気持ち』にフォーカスして発言を
「言いたいことを言う」ことは、誰かを批判したり悪口を言ったりすることではありません。
人に対して意見を言ったり考えを発信することではあるのですがその際に注意しなくてはならないのが『自分の気持ちを伝える』ということにフォーカスすることです。
「私は〜があって悲しいです」「私は〜があって助けてほしいです」「私は〜が不得意です」といった『自分の感情・気持ち・考え』について述べることが大切です。
これを『アイ・メッセージ』とも言いますが、『自分の気持ち』にフォーカスしているため相手の考えや気持ち・人格などを否定するような形での伝え方にならないことがメリットになります。
気持ちが昂ぶったりぶつかったりするとどうしても「あなたは〜だ!」「あなたの〜が嫌いだ」など『相手が主語・主体』となった発言になってしまいがちですが、できる限り意識して自分の気持ちについて述べるようにすることがスムーズなコミュニケーションへと繋がっていくのです。
相手の『行動』に対して意見を言おう
なお、自分の気持ちを伝える際にどうしても特定の誰かに対して意見を言ったり注意をしたいと考える時があります。
その際には出来る限り相手の『行動』に対して意見を言うことが大切です。
「〜という行動が苦手」といった風に特定の行動に対して意見を述べることで、相手の性格・人格そのものを不用意に傷つけることがなくなるのです。
自己肯定感を育もう
言いたいことを言えるようになるには、『自分の気持を許したり受け入れること』が大切になってきます。
自分の気持ちを受け入れられる、そして自分をのことを肯定できるという『自己肯定感』を育むことが自分の気持ちを伝える際に必要なのですが、そのためには繰り返し自分に対し愛情を与えることがポイントとなります。
過去の出来事を見直し、許そう
過去の出来事というのは『自分の気持ちを受け入れてもらえなかった』『傷つけられてしまった』といった類の出来事のことです。
人によってその出来事の詳細は異なりますが例えば親と喧嘩した、大切な人にひどいことを言われた、あるいは精神的・肉体的に傷つけられたと記憶している出来事のことです。
それらの出来事に対して、自分のことも相手のことも許していくことが大切です。
自分自身に対しては「あの時は傷ついて辛かったね」「受け入れてもらえないと感じたね」といった言葉をかけていきます。
そして同時に他人に対しても「あの時は悲しかったけど色々事情があったはず」「根底には愛情があったよ」と心の中で声を投げかけていきましょう。
親や大切な人とぶつかった過去があったとしてもそれは自分のことを想ってくれていた、大切だからこそ厳しいことを言ってくれていたんだと感じられることがあればその気持ちを感謝として伝えてみましょう。
無理をして気持ちを伝える必要はなく、その時その時に感じられる気持ちを「悲しかった」「でもありがとう」などと自然と出てくる言葉で伝えていくことが大切です。
繰り返し繰り返し自分自身と他者に対して気持ちを伝えて許していくことによって過去に『伝えられなかった』『言いたいことが言えなかった』という気持ちが解消されて自己肯定感が育め、同時に気持ちを伝えることへの抵抗感も減っていきます。
相手に否定されたりぶつかっても、嫌われているわけではないという認識を
「相手に嫌われることが怖くて発言できない」と感じている場合には『相手は自分のことを心底嫌って否定したりぶつかるわけではない』ということを知っておく必要があります。
ぶつかったり否定されたとしてもそれはその人と価値観が異なるだけであり、決してどちらかの人格がおかしい・悪いというわけではありません。
『どのような場面でもその根底には愛情がある』という前提で会話してみましょう。
ぶつかったり否定されたりうまく伝えられないこともあるけど、自分も他人も根底には愛情があって決して憎しみや恨みで発言しているわけではないということを感じられれば会話にも抵抗がなくなります。
そしてその根底にある愛情を感じるためには『自己肯定感』を育む必要があるのです。
まとめ

『言いたいことを言う』と聞くと「わがまま」「口うるさい」「批判的」と感じられる部分があるかもしれませんが本質的にはそうではありません。
言いたいことを言うというのはつまり『自分の気持ちを伝える』ということです。
相手を批判したり文句を言うということではなく、「私は〜が嬉しかった」「私は〜が悲しかった」「私は〜がしたい」「私は今〜したくない」という本心を伝えることです。
自分の言いたいことを言うと時には相手の要求や期待に応えられず否定的な感情をぶつけられることがあるかもしれませんが、それは相手も「悲しい」という気持ちを持ったからです。
決して各々の人格や性格を否定し合ったりしているわけではないということを抑えておきましょう。
あくまで『愛情』や『思いやり』が根底にあるからこそお互いに言いたいことを言えるのだと感じられればよりスムーズに自分の気持ちを伝えることができるようになるでしょう(*^^*)
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