
自分を大切にすること。
簡単そうであり同時に難しそうに感じることではないでしょうか。
頭では自分を大切にすることの重要性についてなんとなく理解してはいるものの、実際どのように行動すればよいのか、どういった捉え方をすれば良いのかが分からずにいることも多いでしょう。
言葉を曲解してしまって『自分を大切にすること』は「ワガママ」なことではないのかと感じてしまうことも自分を大切にすることができずにいる1つの要因となっているかもしれません。
今回はそんな簡単そうで難しそうな、そしてとても重要な『自分を大切にすること』についてその捉え方と方法についてご紹介していきましょう。
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自分を大切にするって何だろう?

「自分のことを大切にしましょう」「自分に優しくしましょう」と言われてもなかなか腑に落ちなかったりやり方が分からずにいることも多いのではないでしょうか。
一見当たり前のことのようにも聞こえる「自分を大切にすること」がなかなかできないのには一体どのような原因があるのか、そして自分を大切にするとは一体どのようなことなのでしょう。
『自分を大切にする』の真意とは?
まずはじめに、自分を大切にするとは一体どのような意味なのかについて解説していきましょう。
端的にいうと、自分を大切にするというのは『自分の気持ち・感情・意欲を大切にすること』です。
つまり「自分はこう思う」「自分はこうしたい」「自分はしたくない」という気持ちを出来る限り素直に表現して時には行動し、時には休んでみるということです。
勘違いしてはいけないのが「自分が全部正しいから相手も言うことを聞け!」「自分が全てだから周りも思うように動け!」と相手をコントロールしようとしたり傍若無人に振る舞おうというわけではないということ。
とはいっても「自分の気持ちを素直に表現したり行動に移すことがどういうことなのかが分からない」ということもあるでしょう。
その具体的な方法や考え方については後ほどさらに深掘りしてご紹介していきますので、ここではさらに『自分を大切にすること』について考えていきましょう。
なぜ自分を大切にすることが難しいの?
自分を大切にすることなど当たり前じゃないのだろうか、と思う一方でどこかに自分を大切にすることに抵抗のある人も多いはず。
自分を大切にすることに抵抗を感じたり難しいと感じるのにはいくつかの要因があると考えられます。
幼いころの勘違い
最も大きな要因として考えられるのが『幼いころに経験したこと』が自分を大切にすることに抵抗感を与えているということです。
幼いころに大人から「ワガママを言わない!」「ちゃんとしなさい!」「言うことを聞きなさい!」といった『できるだけ自分を抑えるような教え』を受けた時に、
「ああ、自分はいつも自分の気持ちや考えを抑えていないと怒られるんだ、受け入れてもらえないんだ、愛されないんだ」と感じすぎてしまい、結果として大人になってからも自分の気持ちや考えを極力抑えて生活するようになります。
つまり、自分の気持ちや考えを表現したり行動に移すことは「自分が愛されなくなってしまうこと」なのだと捉えてしまって自分の気持ちを疎かにしていってしまうということです。
幼いころは特に、大人が「立派に育って欲しい」「きちんと育って欲しい」という気持ちが強すぎるがためにコントロールしようとしすぎたり押さえつけようとしすぎて自己表現を自ら抑えるように育ててしまうことが多いのです。
子供はそれを「自分の気持は尊重されない」「自分は大切にされない」と感じてしまうことが多いので、大人になってからも自分のことを大切にすることに罪悪感を覚えたり抑制しすぎたりするようになります。
そして大切なのは「幼いころに勘違いしただけ」「自分は大切ではないということはない」ということです。
自分を大切にしないとどうなるの?
では『自分を大切にすること』ができない場合、生活において一体どのような影響が出てくるのでしょうか。
自分の人生を生きれなくなる
自分を大切にすることができない場合、『自分の人生』というものを送れなくなってしまいます。
自分の気持ちも自分のしたいことも自分が思うことも表現できず行動に移すこともできなくなってしまうので必然的に『自分の人生』を手放してしまうことになるのです。
これはとても致命的なことで、『自分のことを大切にできない』上に『自分の人生を生きることができない』ということが重なるとますます自分を大切にできず自己否定・自己嫌悪のループに陥ってしまう可能性があるのです。
他人を大切にできず、大切にもされなくなる
自分を大切にすることができない人は、他人のことも大切にできなかったり他人からも大切にしてもらえなくなる傾向があります。
「自分なんか」「自分は大切じゃない」という気持ちのまま生活していると自分自身に愛情を与えられず他人へと向ける愛情もなくなってしまうからです。
自分のことを大切にできないことが余裕の無さにつながって誰も大切だと思うようになるのです。
また、自分のことを大切にできずにいると周囲の人へ「あぁ、この人は大切にしなくても良いんだ」「この人は自分のことは大切じゃないんだ」という雰囲気を与え大切にされなくなることも多くなります。
依存症に陥ることも
自分を大切にできず、他人からも大切にされないという状態になるとますます「自分が嫌い」と感じると同時に「愛して欲しい」「大切にして欲しい」という気持ちが強まります。
この一種の『欠乏感』が強まってその欠乏感を埋めるためにお酒やドラッグに溺れたり、ギャンブルに依存することもあります。
そして人間関係への依存も激しくなり「愛して欲しい」「大切にして欲しい」という気持ちを他人に求めるあまりに相手をコントロールしようとしたり時にはDVなどの依存関係に陥ることもあるのです。
自分を大切にするとどうなるの?
一方で、自分を大切にすることができるようになるとどのようなことが起こるのでしょうか。
人生が楽しくなる
第一に、『人生が楽しくなる』ことでしょう。
自分の気持ちを素直に表現できたりやりたことができたり、自分を必要以上に抑え込むことがないのでとてもリラックスした気持ちで生活できるので笑顔が溢れることになるのです。
「自分は大切だ」と思えることは自信や自己肯定感、自己実現につながり楽しい気持ちになります。
人に優しくなる
自分を大切にすることができるとその分気持ちに余裕が生まれ、「人が大切」「人が好き」という気持ちになって自然と他人に優しくなるのです。
そこには「愛されたいから」「認めてほしいから」という打算的な気持ちや依存的な気持ちを持ち込みすぎることなく純粋に「大切だなぁ」「優しくしたいなぁ」という気持ちが溢れてくるのです。
失敗したり恥をかくこともある
自分を大切にするということは『自分のしたいことに挑戦したり自分の気持ちを表現したりする』ということ。
それに伴って必然的に「失敗すること」「人と意見や価値観が合わないこと」「誰かに謝ったり素直になること」が起きます。
自分を抑えて相手に合わせたり常識から逸脱しないようにしていた時には起きなかったような失敗・恥・間違いをおかしてしまうこともあります。
自分を大切にすることは決して「失敗しないこと」「ミスをしないこと」「悲しいことや傷つくことが無くなる」ということではないということも抑えておかなければなりません。
なぜなら、自分を大切にすると辛いことが無くなるんだ、という勘違いから相手をコントロールしようとしたり自分を非を認められなくなってしまうことがあり、それは自分を大切にする生き方の本質から離れた生き方になってしまうからなのです。
自分を大切にするための3つのシンプルな方法とは

ではここから、本題でもある『自分を大切にする方法』についてご紹介していきましょう。
1つでも始めてみると徐々に自分のことを大切にできるようになり、人生が楽しくなることにもつながっていくので取り入れていってみて下さいね。
自分の感情を極力否定しない
まず第一に、『自分の感情』を大切にしましょう。
自分の感情というのは「楽しい」「面白い」「嬉しい」という感情だけでなく受け入れたくないと思うような「悲しい」「辛い」「苦しい」という感情も含まれます。
どうしても悲しさや苦しさというのは受け止めづらく、嫉妬する気持ちや他人を嫌いになる気持ち、自己否定する気持ちやもう嫌だという気持ちは極力自分の中から排除しようとしてしまうかもしれません。
しかしながらそういった受け止め難いような感情を否定してしまうと本来の自分を受け入れることにならず結果的に「自分を大切にする」ことができません。
嫌だと感じるここと素晴らしいと感じること、その両面を感じ取ってこそ自分自身を大切にすることにつながります。
もしも受け止め難い時はその受け止められないという感情を「良いんだよ」「受け入れられないよね」と言い聞かせてあげることが大切です。
やりたいことをして、やりたくないことをやめていく
自分を大切にする方法として最もシンプルで大切なことは自分の感情に従って『やりたいことをする、やりたくないことをやめる』ということです。
やりたいことというのは「やりたいけど、誰かが否定するかもしれないからやっていないこと」「自分にはふさわしくないかもしれないからやっていないこと」などが挙げられます。
それは起業や告白、引っ越しや自立、あるいは誰かに意見を言ったり本心を打ち明けたりすることかもしれません。
人によって様々なことが挙げられますが「ホントはやりたいけどなぁ」と踏み出せていないことに取り組んでみることが大切です。
一方でやりたくないことをやめるというのは「ホントはやりたくないんだけどなぁ」と思いつつやってしまっていることをやめるということ。
人に合わせすぎることや言いなりになりすぎること、日常生活でも我慢してやっていることなどを出来る限りやめていってみましょう。
いきなり何もかもやめることができない場合でも、少しずつ「やめても良いんじゃないだろうか」と感じることをやめてみましょう。
法律を犯すようなことでない、自分の心が「やりたくない!」と感じる方向に従って進んでみましょう。
やりたいことをして、やりたくないことをしない、ということを実行する時に大切なのは「他人を踏みにじったり無理やり傍若無人に振る舞うことではない」ということを意識しておきましょう。
本心から「やってみたい」「やりたくない」と感じることを表現して実行していくのです。
ピンとくる人間関係に飛び込もう
自分を大切にするときには「人間関係」にも注意してみましょう。
自分にとって「しっくりくるな」「落ち着くな」と感じる、あるいは「すごいな」「良いな」と感じられる人間関係かどうか。
もしも「とても疲れる」「とても嫌だ」と感じるような人間関係の中に身を置いている場合は少し距離を取るか、新たな人間関係に飛び込むことが必要かもしれません。
自分の周りにいる人は自分自身を写す鏡とも言えます。
あまりにも批判的な人や、依存的な人の周りにいると自分自身も批判的になったり依存的になっていくことがあります。
反対に「良いな」と思える人と一緒にいれば自分の気持ちも落ち着いたり幸せになって生活が楽しくなることでしょう。
また、今まで心地よくてもなんだか新しい所に飛び込んでみたいと感じた時はその直感に従うことも大切です。
新しい人間関係に飛び込むことは怖いかもしれませんが、それ以上に自分にとってピンとくるような人たちと過ごすことは自分に愛情や肯定感をもたらすことでしょう。
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まとめ

いかがでしたでしょうか。
自分を大切にする方法は、至ってシンプルで、同時に勇気のいることです。
・自分の感情を受け止めていく
・やりたいことをして、やりたくないことをやめていく
・自分にとってピンとくる人間関係を持つ
この中でも特に勇気のいることは「やりたいことをして、やりたくないことをやめること」です。
人から批判されたり嫌われたり、失敗したり恥をかいたり傷ついたりすることがあるかもしれないからです。
しかし逆に言うと、勇気さえ持つことができれば『自分を大切にすること』ができます。
自分を大切にする方法は、特別なスキルや能力よりも勇気や覚悟のほうが重要になってくることです。
自分の感情を受け止めて、やりたいことをする、やりたくないことをやめる、人間関係も自分の思う方向に踏み出してみる。
そんな単純で少し怖い『自分を大切にする方法』が必ず人生を面白くしていってくれることでしょう。
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