
自分の気持ちや本心を出すのが怖い。
自分の素直な気持ちに罪悪感がある。
私たちの多くは大なり小なり自分の気持ちや本心、あるいは素直な表現、やりたいこと、言いたいことを隠して当たり障りの無いことを表に出すことがあります。
ある程度自分を隠しても大丈夫な範囲で生活する分には良いのですが、自分を隠すことに疲弊したり自責の念を覚えたり、あるいは生きづらさを抱えてしまう人も少なくないでしょう。
今回は、そのような自分の気持ちや本心、やりたいことや言いたいことを隠してしまう人の心理や特徴、改善法についてお届けしていきます。
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目次
自分の気持ちや本音を隠す人の心理や特徴とは?

自分の気持ちや本心・やりたいこと言いたいことを隠す人にはどのような心理・特徴があるのでしょうか。
完璧な自分でいたい
自分の本心・気持ちを隠す人は「完璧主義」な傾向が強いかもしれません。
他人から欠点と思われるようなことはしたくない・言いたいくない・見られたくないという思いが強いため、少しでも弱点・ダメかもしれないと思う部分があれば隠すことになります。
物事や考えに正解不正解を求めすぎるために素直に自分の考えを出せないのです。
同時に自分の感情・やりたいことについてどこか肯定的になれず、他人からの評価や基準を気にしすぎて自分の考えを表現することをためらってしまうこともあります。
がっかりしたくない
自分の気持ちや考えを表現することをためらうのには『がっかりしたくない』という気持ちも含まれることがあります。
自分の気持を表現したのに受け入れてもらえなかった、自分の言いたいことを言っても意味がなかった、自分のやりたいことをやって失敗してしまった。
そのようなうまくいかないような出来事に直面してがっかりするくらいならと考え、自分を隠すことを選択するのです。
自分の考えややりたいことに罪悪感を抱いてしまう
自分を隠してしまう人は「これがやりたい!」「自分はこう考える!」ということに対して「自分の気持を優先したらダメなんじゃないか」と罪悪感を抱いてしまうこともあります。
本当はやりたいことや言いたいことがあっても「自分なんか…」「どうせ自分なんて…」と卑屈になってしまうことも自分を隠すことの要因の1つですし、自分の気持ち・行動に対して誰かから責められているような気持ちになるので自分を隠すという行動に結びついてしまうのです。
言っても意味がないと考えている
自分の考えややりたいことを隠す人は言いたいことを言ってもムダ、やりたいことを言っても意味がない、相談したり打ち明けたりする意味がないと考えている可能性もあります。
隠したい、言いたくない、バカにされたくないという気持ちよりも言う意味がないと考えて結果的に自分のことを隠しているように見えることもあるでしょう。
自分を隠すとどのようなデメリットがあるの?

自分を隠す、自分の本心ややりたいこと・言いたいことを隠すことには一体どのようなデメリットがあるのでしょうか。
大きなストレスのもととなる
自分のやりたいこと・本心、言いたいことや気持ちを隠したり抑えたりして自分を偽ったりすることは大変なストレスとなります。
そのストレスが生活や考え方にも影響を及ぼして何もしたくない、イライラして腹が立つ、自暴自棄になる、悲しくなる、生きづらくなるといった気持ちを生み出しひどいときにはうつ病などの症状となって表れることもあります。
自分気持ちや本心を隠すことは自己否定、自分のことを精神的に潰す行為とも言えるので自然と気持ちが滅入ってしまうのです。
他人とコミュニケーションが取りづらくなる
自分のこと・自分の気持ちを隠すと他人とどうしてもコミュニケーションが取りづらくなってしまいます。
自分はこう思っているんだけど・自分はこれが好きなんだけど、という核心部分を伝えないままでは他人には自分のことは伝わりません。
自分の気持ちを察してくれる人、自分のことをよく知っている人には何も言わずとも伝わる部分があるかもしれませんが初対面の人、これから仲良くしていきたい人には自分の気持ちを隠したままでは関係に変化が訪れにくくなってしまうでしょう。
自分の人生を生きられなくなることも
自分を隠すことは他人を優先したり和を乱さないという面では良いこともあるかもしれません。
しかしそれが行き過ぎると『自分の人生<他人の人生』といった構図になってしまい、自分のやりたいことや言いたいことを二の次にして自分の人生を生きることができなくなってしまうこともあるのです。
自分の人生を生きれないという状況がストレスのもとにもなりますし、とても暗い気持ちになってしまうこともあるでしょう。
なぜ自分の考えややりたいことを隠してしまうの?

ではなぜ自分の生活に悪影響があったり大きなストレスを生んでしまうような『自分を隠す』という行動を取るようになるのでしょうか。
幼いころの経験が大きな要因
大きな要因として考えられるのが、幼いころに自分を出したり考えを言ったりやりたいことをしても認めてもらえなかった、受け入れてもらえなかった、傷ついた、否定されてしまったという経験があるということです。
過去にこういった経験があると自分の中に「どうせ言ってもムダなんだ」「どうせバカにされるんだ」「どうせ損をするんだ」という思いが強く残ってしまい、大人になってからも「発言してもムダだから言わないでおこう」「やりたいことは否定されるから隠しておこう」といった考えを持つようになります。
その結果他人からは「何も言わない人」「何を考えているか分からない」といった『自分を隠す人』といったイメージを持たれることになるのです。
過去の経験で「拗ねて」しまっている
幼いころに限らずとも学生時代や家庭など、自分の過去の経験の中で「自分をバカにされたと感じた」「言いたいことを言ったら嫌われた」「やりたいことをやっても褒められなかった」といったことがあると、自分の心が「どうせムダなんだ…」と『拗ねて』しまうのです。
他にも頑張っても認めてもらえなかったり、自分よりも他の人が褒められるのを見てバカバカしくなってしまった、目立ったら怒られた、自分の気持を言ったらダメだと言われたといった経験も『自分を隠す』きっかけとなり得ます。
この「どうせ…」と言う気持ちが自分を隠す要因なのですが、大人になってから解消できることでもあります。
損をしたくないという気持ち
「拗ねる」という表現の他に、『損をしたくない』という気持ちも自分を隠す根本的な要因とも言えるでしょう。
損をしたくないというのは「自分だけが傷つきたくない」「恥ずかしい思いをしたくない」「悲しくなることや経済的にマイナスになりそうなことはしたくない」という気持ちのことです。
精神的にも物理的にも「損をしたくない」という気持ちが働いているので「自分を隠す」という行動を取ってしまうのです。
傷つきたくない・損をしたくい・もう嫌だ・どうせムダだという気持ちを持ってしまうことは仕方がない部分もありますが、少しでもこれらの気持ちを軽くすることで生き方がグッと明るく軽くなることが多いです。
次の項では自分のことを隠すようになった人が少しでも自分を表現し、より自分らしく生きていくためにはどのような取り組みが有効なのかをご紹介していきましょう。
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自分を隠しすぎずに上手に表現しながら生きるには?

『自分を隠す』という行為は過去の経験から「自分を出さないほうが良い」「自分を出しても意味がない」と判断しているからこそ起こることです。
『自分を隠す』ことに疲れたり自分の思うように生きて言いたいことを言いたい・やりたいことをやりたいと考えた時に効果的な考え方・行動を紹介していきましょう。
自分を隠す自分を責めないで
自分を隠す人の多くに「自分の気持を言えなかった」「自分のことをうまく伝えられなかった」と深く後悔して自分を責めてしまうことがあります。
自分を表現したいという気持ちと自分を表現するのが怖いという気持ち、自分を隠すことに対して罪悪感やコンプレックスを感じていると様々な感情が入り乱れて結果的に「自分を隠してしまった」と責めてしまうのです。
このような時は極力自分を責めないように意識してみましょう。
「自分を責めてしまったな」と感じる・気づくだけでも自責の念の悪循環は止まりますので、『自分を責めたことに気づく』ことから始めてみましょう。
また、自分を隠すことを無理やり無くそうとする必要もありません。
どのような人でも自分のことを隠したいと思うことはありますし、自然な感情です。
そのような自然な感情を止めないことが自分を隠すことに対する罪悪感・言い様のない生きづらさを少しでも軽くしてくれるでしょう。
やりたいことをやる・やりたくないことをやめる
基本的な改善策として挙げられるのは、「やりたいことをやる」「やりたくないことをやめる」ということです。
実際に取り組むには勇気や覚悟が必要な部分もありますが自分にできる範囲で「やりたいことをやり」「やりたくないことをやめて」みましょう。
いつかやりたいな、いつかやめたいなと思っていることをできる範囲ですぐ行うことによって「自分の意思を尊重しても良いんだ」という気持ちが自分の中で育ちます。
これを『自己肯定感』『自尊心』とも言いますが、自分のことを尊重しても良いんだ、自分の気持ちを表現しても良いんだ、自分のやりたいことをやってもいいんだという気持ちをしっかり持つことができれば自分の事を必要以上に隠す必要も無くなります。
いつもと「逆」のことをしてみる
自分を隠す人は「もっと自信がついてから話してみよう」「もっと立派になってからいろいろやってみよう」と考えて自分のことを表現する時期を待っていることがあるかもしれません。
しかし、「〜してから」という考えを持ちすぎると今の自分を否定することになってしまいます。
今の自分は不完全だから将来言いたいことを言おう、と考えていると知らず知らずのうちに自分のことを傷つけて自信を失ってしまっていきます。
そこであえて「いつか言おうとしていること」「いつかやろうとしていること」を先にやってしまうことをオススメします。
いつか買いたいものを買ってしまうのも1つの手です。
そうすることで「今の自分でもやりたいことをやってもいい」「今の自分でも自信を持って言いたいことを言っても良い」と感じられるようになり、自然と自分を隠すことがなくなっていきます。
いつも後回し・先送りにしていたことを先にやってしまう・ご褒美を与えてしまうことによって無条件の愛情を自分にかけてあげることができるのですくすくと自己肯定感が育つことでしょう。
過去の経験を癒やして自分に許可を与える
自分を隠す人は「過去に嫌なことがあったから今更ムダなんだ」「嫌な経験があったからもう二度と心を開かない」と意固地になってしまっていることが多いです。
その気持ちを少しでもほぐすために『過去の経験・記憶を癒やして自分の気持に許可を与える』ことが大切です。
昔嫌なことがあって心を開きたくなったね、と自分に声をかけてみましょう。
あるいは「どうせムダなんだ」と思ってしまったねと声をかけてみましょう。
その後に「でもこれからは言いたいことを言ってもどうせ受け入れてもらえるよ」「どうせ話を聞いてもらえるよ」と言ってみましょう。
「どうせ〜」という言葉をポジティブに使ってみることで楽な気持ちで自分を許していくことが可能です。
また、「気持ちを話しても良いんだよ」「気持ちを話せなくても良いんだよ」と自分の行動の全てに許しを与えていきましょう。
自分を隠すことに問題を感じている人は「隠してはいけない」「言わなくてはならない」と自分を追い詰めすぎてしまっているかもしれません。
自分の行動の全てに○を出すことで気持ちが楽になり、より行動しやすくなることでしょう。
会話のテクニックも知っておこう
自分を隠す人は自分の気持ちを上手に表現する会話のテクニックを知っておくことも効果があるかもしれません。
「私は〜と思う」という『自分を主語にした会話』をすることで自分の気持をグッと上手に伝えることができます。
喧嘩をしたり言い合いになった時に「あなたは〜だから」といった言葉を使ってしまうこともあるかもしれませんが、そこで「私は〜で悲しい」という気持ちを伝えることができればいつもとは異なったコミュニケーションができるかもしれません。
できる限り自分の気持ちを優先して伝えることを意識しておけば相手に上手く自分のことを表現できるようになることでしょう。
まとめ

いかがでしたでしょうか。
『自分を隠す』という行為の本質は「過去に自分を表に出したら怒られたり嫌われたり認めてもらえなかったから辛くて出さないと決めた」、という部分にあります。
この過去の経験を少しでも癒やしてあげて「出しても良い」「出さなくても良い」「やりたいことをしても良い」「言いたいことを言っても良い」と自分に許可を与えることで、自分を隠すことが少なくなり身も心も軽くなり生きやすくなるのです。
過去の経験を少しでも癒すと同時に、「どうせムダなんだ」と思ってやってこなかなったこと、先送りにしていたことにぜひ取り組んでみましょう。
過去の自分とは環境も知識も違いますし、関わる人の気持ちも異なっています。
考えていたこととは異なる結果が返ってきて自分を隠す必要はなかったと気づくかもしれません。
そのためには「どうせムダなんだ」という気持ちを「どうせ話せる」「どうせ話せなくても素晴らしい」とどのような自分でもOKなんだということを自ら言い聞かせてみることも大切です。
自己肯定感を与えていきながらいつも我慢していたこと・先送りにしていたことに挑戦してみる。
あるいはやってはいけないと思っていたこと、やるのは今はダメだと思っていたことに取り組むことで『自分を表現しても良い世界』というものが広がっていることに気付けることでしょう。
やってこなかったことをやってみよう、いつかやろうと思っていたことをやろう、いつか買おうと思っていたものを買おうというちょっとした勇気と覚悟が自分を隠さずにありのままに生きる自信へとつながっていくことでしょう。
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