
みなさまの中には、『ついつい自分を責めてしまう』という方はいらっしゃるでしょうか。
何か間違ったことをしてしまったり、人を傷つけてしまったと感じた時に反省をすることは大切ですし、そこから学ぶこともたくさんあります。
しかし、四六時中自分を責めてばかりで、何をするにも心地よく前に進めないのはとても辛いことです。
今回は、そんな『自分を責めてしまう癖』について、そしてその改善方法についてご紹介していきましょう。
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自分を責める癖のある人の特徴とは?

まずはじめに、自分を責めやすい人の特徴について見ていきましょう。
自分自身への粗さがしをしてしまう
自分を責める癖のある人の特徴としては、『自分に対する粗さがし』をしやすいことが挙げられます。
人間には良い部分と悪い部分、長所と短所、向き不向きがあるのが自然なことです。
なんでもできる、完璧な神のような存在はいません。
どのような人にも欠点と捉えられる部分があるものです。
その中で、自分を責める癖のある人は欠点や短所と思える部分についつい目を向けてしまいがちです。
ポジティブな人は自分の長所やできること・できたことについて視点を向けるのが得意ですが、責める癖のある人にはなかなかできません。
過去の失敗や間違いを消化できない

人は間違ったり失敗したりして、そしてそれに対して反省して成長していくものです。
誰にでも間違うことはあるものですが、自分を責める癖のある人は過去の失敗や間違いに対して自分自身を許してあげることができません。
「あの時あんなことをした自分はダメなんだ」「間違えた自分には幸せになる資格はない」という、自分自身を責めたり不幸の中に身を置くような考え方に走りがちです。
過去のことにこだわりすぎるあまりに、いつまでもそれを引きずってしまって新しいことに挑戦することがなかなかできなくなるのです。
全てが自分の責任だと考えすぎてしまう
全ての出来事は多面的な捉え方ができます。
たとえ自分が悪いと思うことをしてしまったり、揉め事があったとしても100%自分だけの責任ということはほとんどの場合ありません。
例えばどうしてもうまく対応でないような心理状態であったり、逃げたりぶつかったりすることが避けられないような環境に置かれていることもあります。
また、自分と相手の価値観や考え方が食い違ってしまったり、生きていく中でどうしても避けられない選択を迫られることもあるでしょう。
どのような出来事でも自分だけが悪い、とは言い難いでしょう。
ですが、自分を責める癖のある人は自分の責任の部分だけに目が行き過ぎてしまい、必要上に自分を追い詰めてしまいます。
自分を責める癖ができる原因とは?

自分を責める癖は、どのようなことが原因で形成されていってしまうものなのでしょうか。
多くは小さい頃の経験が関わっている
ほとんどの場合、過去、特に幼少期の家庭環境が関わってきます。
小さい頃になんでもかんでも怒られるような経験をしていたり、テストや習い事などで結果が悪かった場合にひどく責められるような経験があれば、心が傷ついて大人になっても責められているような気持ちが残ったままになってしまいます。
小さい頃はできないことや分からないこと、ワガママを言ってしまうのは当然のことですが、それに対して過度のしつけや怒りをぶつけられると子供にとっては大変な苦しみとなってしまいます。
感情のやり場が自分だけに向いてしまっている

幼少期に怒られたり責められたりする経験が積み重なると、自分自身の感情を外に出すことが困難になります。
自分の思ったことや感情を表現しても親や身近な人間に受け入れてもらうことができず、さらに一方的な考え方や怒りを親から押し付けられすぎると自分のことを無価値だと思うようになってしまうからです。
自分の感情や思いには価値がなく、そして自分自身までも無価値な人間だと思いこんでしまい、感情を表現したり思いをぶつけたりすることをやめてしまいます。
その結果、他人とぶつかったり何か間違ったことをしたりすると、全ての感情が自分だけに向いてしまい他人と共有したり相談することができず、ひたすら自分を責めるようになってしまうのです。
謝りたかったことを謝れていないから
他人に対して謝りたいと思いながら謝れていないことが心に引っかかって自責の念が募っていることもあります。
何か間違ったことや人を傷つけてしまうことがあったとき、どうしても素直に謝れなかったりタイミングを逃してしまうこともあるでしょう。
自分の中でしっかりと反省して解消できていれば前に進めますが、自責の念が募ったままの時にはいつまでも自分を責めることを繰り返してしまいます。
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自分を責める癖を改善する5つの方法とは?

自分を責める癖は、自分自身を必要以上に痛めつけるという点であまり望ましくありません。
反省する気持ちを持ちつつ、過度の自分を責める癖を改善するにはどのような方法があるでしょうか。
自分を責めていることに気付こう
自分を責める癖がある人は、まず『自分自身を責めている』ということに客観的に気づいてみましょう。
自分を責めている最中は、自分の間違いやできないことについて粗さがしの悪循環に陥っていることがほとんどです。
これを改善するには、まず『気づく』というプロセスが重要になってきます。
『気づく』ことで自分自身の精神状態を客観的に捉えることができ、その時点で自分を無意識に責めるという状況から抜け出すことができます。
さらに重要なのが、『気づく』だけで良いということで、決して『止めようとする必要はない』ということです。
なぜならば、自分を責めていることを止めようとすることは、自分の感情やありのままの姿を否定することになり自分自身を傷つけることになってしまうからです。
その分『気づく』ということだけにとどめておくと、自分の感情を否定することなく対応することができるのです。
自分を責めても良いと自分に言い聞かせよう

自分を責める癖のある人は、自分を責めることをも悪いことや恥ずかしいことと考えて自分を追い詰めてしまう傾向があります。
自分を責めるのをやめようとすることもまた自分の気持ちを否定するのと同じことだと触れましたが、自分を責めていることに気づくことだけにとどめておいた後に、
自分を責めている自分を『許す』ようにしてみましょう。
形はどのようなものでも構いませんが、『あぁ、自分を責めているな。でも責めてしまっても良いんだよ』などの言葉を心のなかで自分に言い聞かせてみたり、あるいは一人で静かにいられる場所で声に出してみましょう。
過去の後悔や失敗を許してあげよう
過去に失敗したことや間違えてしまったこと、その他後悔や罪悪感を感じていることについて改めて自分自身を許してみるように努めてみましょう。
心に引っかかっていることがある場合は、その出来事に対してもう一度違った捉え方ができないかを考えてみましょう。
例えば、『あの時自分はああするしかなかったんじゃないだろうか』『あの時人に責められたけど、自分の存在を否定する言葉ではなかったのではないだろうか』と言った風に紐解いていくのです。
心にひっかかっている人に直接会って話すことも1つの手ですが、自分の心の中で一つ一つ解消していってあげるだけでも十分な効果が得られますので、試してみて下さい。
他人に対して言えていなかった気持ちを表現してみよう

他人に対してもモヤモヤとしている気持ちを表現するようにしていきましょう。
これからのことに対してもそうですが、特に過去の出来事に対して伝えられていないことを伝えていくことも大切です。
やり方としては自分に言い聞かせるのと同じように、自分の心の中に積もっている感情をそっくりそのまま表現してみます。
腹がたったことは腹がっていたと伝えて、悲しかったことは悲しかった、謝りたかったことはごめんなさいと表現してみましょう。
この時に、自分の目の前に相手の姿をイメージしたり、目の前に椅子や座布団を置いて相手がいるのを想定して言葉に出すのが有効です。
これは『エンプティ・チェア』『空椅子の技法』とも言われるテクニックで、相手に対して言えていなかったことを想像上で伝えるだけでも自分の中のわだかまりが解消されていくことになります。
過去の出来事に対するモヤモヤがスッキリすると、自分を責める癖も少しづつ解消されていきます。
ノートに気持ちを書き出そう
自分を責めていることに気づいた時には、声に出したり心の中でつぶやいてみることの他に、ノートなどの紙に気持ちを書き出すことも大変効果があります。
ノートやメモに書き出すことは声に出すのと同じよに外部に自分の気持ちを表現することと同様の意味があり、
自分を責めて内面に閉じ込めている気持ちを少しでも吐き出すことができます。
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まとめ

いかがでしたでしょうか。
自分を責める癖というのは幼いころの記憶や経験が深く関わっており、すぐに解消するのは困難かもしれません。
しかしながら、自分を責めるということとうまく付き合っていきながら少しづつでも改善することは可能です。
大切なのは自分を責めることを恥じる必要はないということ。
責めることは反省の意味もあり自身の成長にも一役買ってくれます。
自分で反省できる部分は取り入れておき、そして同時にそれ以外に気付けることがなかったか考えてみましょう。
自分を責めてしまう出来事には本当に自分にしか責任が無かったのか、自分には避けられないこともあったのではないか。
物事を多面的に見る癖を身につけて、言いたいことや言えていなかったこと、謝りたかったことがあればそれも解消していきましょう
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