
自分に嘘をつかない生き方。
そんな生き方についてどう思われるでしょうか。
私は自分に嘘をついていない、私は正直だと感じていても、人間というものは長年の教えや常識に知らず知らずのうちに囚われて無意識のうちに自分に嘘ついてしまっている時があります。
自分に嘘をついている、というよりも「知らないうちに自分を騙していた」「知らず知らずのうちに自分に我慢をさせていた」といったことがあるのです。
もし今「自分にはまだ早い」「自分にはできっこない」と感じて悩んでいたり、自分では気楽に、素直に生きているはずなのにどこか苦しいというのであれば「知らないうちに自分を偽っていた」可能性があります。
自分の気持ちに嘘ついて、無理をしていると多くの人が身体や心を壊してしまいます。
無理をすることが好きな場合はそれでも良いのです。
しかし、自分に嘘を付いている気がする、無理をしている気がするのであれば是非一度、『自分に嘘をつかない生き方』にシフトしてみませんか?
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目次
自分に嘘をつくってどういうこと?

まず初めに、『自分に嘘をつく』ということがどういったことなのかを考えていきましょう。
やりたくないことをすること
1つは、「やりたくないことをする」ということ。
人によって様々なことが挙げられますが、人から押し付けられた仕事をやりたくない、我慢して同じ環境に留まっていたくない、好きでもないことをしたり食べたくないという気持ちを蔑ろにして続けてしまうといったことです。
やりたくないことをするということが大切な時もありますが、心からやりたくない、気持ちがどんどん塞がってしまうようなやりたくないことを続けることは自分を傷つけてしまう行為、自分を大切にしない行為、自分に嘘をついてしまう行為になってしまうのです。
また、本当は見栄を張りたくないのに張ってしまったり、「大丈夫です」と取り繕ってしまうこともあるでしょう。
やりたいことを我慢すること
自分に嘘をつく行為の1つとして大きいのが、「やりたいことを我慢すること」です。
やりたいことというのは決して迷惑行為や犯罪行為というわけではなく、「旅行に行ってみたい」「遊びに行きたい」「仕事を休みたい」「趣味を始めたい」「美味しいものが食べてみたい」といった『自分の心がワクワクするようなこと』です。
本当は「やってみたい!」「行ってみたい!」「食べてみたい!」と思う気持ちを封じ込めてしまうのは自分に嘘をつくことに他ならないでしょう。
もちろんやりたいことをやったり美味しいものを食べに行ったとしても思うようにいかなかった、想像と違っていたということはあります。
しかし大切なのは「何かを手に入れた」「成果があった」ということよりも『自分に嘘をつかずにやってみたいことをやれたか』ということなのです。
知らず知らずのうちに頑張ってしまっていること
自分に嘘をつくことで厄介なのが、「知らず知らずのうちに自分を騙してしまっている」「無意識に自分を押さえつけてしまっている」ということです。
たとえば「この頼まれ事は頑張ればできるしなぁ」「少し我慢すれば耐えられるしなぁ」と考えてしまうようなことです。
これらは日常的に「仕方ないしなぁ」「みんなやってるしなぁ」という理由で本当はやりたくない、本当はやめてしまいたいのに続けてしまっていることがあるのです。
それらが自分にとって楽しかったり問題に感じるようなことで無ければ良いのですが、もし「なんとなく辛いなぁ」「なんか全然気が乗らないなぁ」と薄々でも感じているのであれば気づかないうちに自分を抑え込んで、自分に嘘をついてしまっているかもしれません。
素直な気持ちで生きられないということ
自分に嘘をつくということはやりたいことをやらない、やめたいことを我慢するということだけでなく、「素直な気持ちを表現できない」「素直に受け取れない」という行為にも表れてきます。
たとえば本当は好きなもの、本当は可愛いと思うもの、本当は美味しいと思うものを「そんなに好きじゃない」「微妙」「美味しくない」と気持ちを封じ込めたり、周りに必要以上に合わせてしまったりすることも含まれます。
逆に、本当は嫌いなのに好きと言ってストレスを溜めてしまったり、無理をして人付き合いをすることにも繋がってくることでしょう。
さらに、自分に嘘をついていると『受け取ること』も素直に行えなくなってきます。
他人から褒められたり怒られたり、あるいは好きと言ってもらえても「自分にはふさわしくない」「そんなんじゃないですよ」と気持ちを素直に受け取れないのです。
嫌なことを拒絶したり、好意を受け取ることが難しくなってしまうのです。
自分に嘘をつく生き方の辛さとは

自分に嘘をついてしまうことが意識的にも、無意識でも起こってしまいます。
では自分に嘘をついてしまうと一体どのような辛さがあるのでしょうか。
際限なく我慢が続いてしまう
1つには、「また嘘をついて頑張らなくてはならない…」「いつまで我慢すればいいんだ…」といううんざりした気持ちが襲ってきます。
自分の気持に嘘をついて我慢したり無理をすると、自分の中で「まぁいっか」「頑張ればなんとかできるか」ということが積み重なり、際限なく「本当はやりたくないこと」が降り掛かってしまうのです。
また、他人からも「この人は頼めばなんでもやってくれるんだ」と誤解されてしまい、ますます自分に嘘をついて我慢しなくてはならなくなるでしょう。
本当にやりたいことがいつまでもできないままになる
自分に嘘をつく生き方の本当に辛いところは、「本当はこうしたいのになぁ」「本当はあそこへ行ってみたいのになぁ」「本当はこう言いたいのになぁ」という気持ちを表に出せず、自分のことを後回しにしていく人生になってしまうことです。
本当にやりたいことを優先できず、やりたくないことをやり続けることになってしまいがちなのです。
また、自分の気持ちを抑えてやりたいことをやらずにいるとフラストレーションが溜まりやすく、不満を溜めて吐き出すだけの毎日になってしまいやすいです。
楽しいこと・やりたいことを楽しむ人生ではなく、我慢・頑張り・不満ばかりの人生になってしまうのです。
自分を過小評価しすぎてしまうことも
自分に嘘をつくことの罠として、『自分の能力・価値にも嘘をついてしまうことがある』ということです。
つまり「自分にはできるわけがない」「どうせ自分なんか」「自分は価値がない」「自分はひどい目に合う人間なんだ」と思い込もうとする、そしてひどい環境に自分をおしとどめようとする嘘です。
どちらかと言うと謙遜することが素晴らしいと教えられてきたかもしれませんが、自分の能力・価値・魅力を自分自身で否定してしまう嘘は自分にとっても、そして身近にいる人も巻き込むような辛いものでもあります。
なぜ自分に嘘をついてしまうの?

ではなぜ私たちは、時には自分を苦しい状況に追い込むような『ウソ』を自分自身についてしまうのでしょうか。
目立ってはいけない・謙遜することが素晴らしい!?
1つは「目立たないように」「普通でいるように」「常識的に」「謙遜しましょう」と言う言葉を信じ込みすぎてしまっていることが挙げられます。
もちろん迷惑行為や犯罪行為になるようなことは勧めませんが、「自分のやりたいことをやる」「面白そうなことをする」「嫌なことを断る」「無理しすぎない」という『自分の気持ちを大切にする行為』は大人になったら我慢しなくてはならないと教えられてきたのです。
目立たないように、周りに合わせるように、みんなと同じように、叩かれないようにすることが素晴らしいことと言われすぎて、いつの間にか「素の自分の魅力」「自分の長所」すら押し込めて生きるようになってしまうのです。
親に嫌われたくなかった
私達の多くの行動の基準は、「親から嫌われないか」「親に怒られないか」ということにとらわれることがあります。
道徳的に、周りに危険が及ばないことを教わることは素晴らしいことですが、自分のやりたいことや魅力を「ダメなこと」「いけないこと」「表現したら怒られる」と思い込んで自分に嘘をつくようになります。
親への復讐心から嘘をつくことも
親に嫌われないように、親に逆らわないように自分に嘘をつくことの裏返しとして、「昔親に虐められたから」「親が許せないから」と感じていて「親に仕返ししてやる」「親の気に入らないことをやってやる」と決心して自分の望まないことを選択する場合もあります。
本当は望んでいないのに非行を繰り返したり、わざと辛い状況に自分を追い込むのです。
親への復讐心から自らの幸せに目を背けるようになってしまうことがあるのです。
できない・やってはいけないと思い込んでいる
自分に嘘をついてしまう大きな要因として、「できるわけがない」「やってはいけない」と思い込みすぎてしまっていることが挙げられます。
本当は自分のやりたいことをやるための物事は全て揃っているにも関わらず、「時間がないから」「お金がないから」「人脈がないから」と理由をつけて気持ちを押さえつけてしまうのです。
自分の行動の基準が「やってみたい」「面白そう」ではなく、「お金があるから」「人に言われたから」といった外的な基準になってしまっているのです。
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自分に嘘をつかない生き方の始め方

もし今自分のやりたいことを抑え込んでいたり、できるわけがないと諦めてしまっていたり、誰かへの復讐心から動いていると感じているのであればぜひ一度、『自分に嘘をつかない生き方』に取り組んでみませんか。
スッキリするまで感情を吐き出そう
自分に嘘をつかない生き方と言うのはつまり、自分の感情に蓋をしないこと、嫌な気持ちも感じていくことが大切です。
悲しい、ムカつく、殴りたい、嬉しい、楽しい、面白い。
どうしてもポジティブな気持ちばかりを大切にしがちですが、もう一方のネガティブな気持ちも受け取っていかなければ自分に嘘をつき続けていくことになってしまいます。
感じ尽くす、吐き出すといっても誰かに対して無理に文句を言ったりぶつかったりする必要があるわけではありません。
悲しいなぁと感じて涙を流し尽くすこと、ムカつくなぁと腹を立てて小さく叫んでみること、苦しいなぁと感じて膝を抱えてみること。
自分の感情をストレートに感じていくことが大切なのです。
嫌われたり、反対されるかもしれない『やりたいこと』に飛び込む
感情を吐き出して感じ尽くすことはとても大切です。
自分の気持ちをジャッジせずに受け取っていくことが自分に嘘をつかない生き方の第一歩だからです。
そして同時に、感情を吐き出すだけではどうにもならないこともあります。
それが、『やりたいことをやる』ということです。
感情を受け入れて、自分のやりたいことに取り組むことが大切です。
そこには軋轢が生まれるかもしれないですし、失敗することへの恐怖も生まれます。
反対されたり嫌われるかもしれません。
それでも「自分のやりたいこと」を大切にして行動に移すことが大切なのです。
やめたいことをやめていく
やりたいことをやることと同じように、自分が本当はやりたくないこと、無理をして続けていることをやめていくこと、捨てていくことも大切です。
本当はしんどいこと、本当は辛いこと、本当は誰かに代わってほしいこと。
それらをやめたり、断ったり、頼んでみたり。
「どうせ無理」「どうせ意味がない」「断られるに決まっている」と決めつけてしまう前に、一度でも良いので断ったり頼ったりしてみましょう。
小さなことでも自分の気持ちを大切にする
私たちは日常生活において無意識のレベルで自分の気持に嘘をついてしまうことがあります。
本当は好きなものを嫌いと言ってしまったり、本当に食べたいものを我慢してしまったり、本当は断りたいことをやってしまったり。
そういった「小さな、些細な自分の気持ち」を大切にしていってみましょう。
本当は焼肉弁当が食べたい、本当はおしゃれな靴を履きたい、本当は帰りたい。
普段の些細な気持ちを一つ一つ大切にしてくことが『自分に嘘をつかない生き方』においてとても肝心なポイントとなってくるのです。
悩んでも、苦しんでもいい。その上で、自分がどうしたいのか。
自分の気持ちを大切に、自分に嘘をつかない生き方をしようとすると多くの場合、「言えるわけがない」「できるわけがない」「反対される」「バカにされる」という恐れが湧き起こってきます。
また、実際に行動に移せば「普通にしていろ」「やめろ」「バカだ」と言われたりぶつかったりしてしまうこともあることでしょう。
しかしそれでも大切なのが、「自分はどう感じているのか」「自分はどうしたいのか」です。
傷ついてしまったり、恐れを抱いてしまったり、悲しかったり、失敗してしまったり、凹んでしまったりしても良いのです。
それはなんら悪い感情ではありません。
自分の気持ちを、自分に嘘をつかない生き方を送ることにおいて必要なプロセスなのです。
悩み、苦しみ、悲しさを吐き出したら、その上で自分がどうしたいのかを大切にして行動に移してみましょう。
自分に嘘をつかない生き方がもたらしてくれるものとは

自分に嘘をつかない生き方を始めるには、それなりの勇気と覚悟が必要になってきます。
今まで「仕方がない」「我慢しよう」と抑え込んでいた自分をさらけ出すことになるからです。
今までの行動パターンとは違う方向に踏み出すことになるからです。
しかしその勇気と覚悟を持って踏み出せば、今まで見えなかったものも見えてくるようになります。
自分の本当にやりたいことが見えてくる
自分に嘘をつかない生き方を大切にしていると、自分が何を好んでいるのか、自分がどこへ行きたいのか、自分はどうしたいのかがわかりやすくなってきます。
時に「それは無理だろう」「それは無茶だろう」と思うようなことが浮かんでくるかもしれません。
そんな時はじっくり悩んで、それでもやるのか、やめておくのかを決めていきましょう。
挑戦してみることは大切ですが、だからといって踏みとどまっている自分は『ダメなやつ』というわけではないのです。
誰でも悩みます。誰でも恐れや罪悪感を抱くものなのです。
自分の素直な魅力が伝わるようになる
自分に嘘をつかない生き方をしていると、人間関係にも変化が訪れます。
自分の素直な気持ちを気に入ってくれる人が現れ、同時に素直な気持ちが合わないと感じる人も現れることでしょう。
それは決して悪いことではありません。
傷ついたり、悲しくなったりするかもしれませんが単に「考え方が違うだけ」「趣味が異なるだけ」なのです。
自分から相手に分からせようとする必要はありませんし、同時に相手の意見を尊重しつつもあくまで『自分はどうしたいのか』を大切にしていっても良いのです。
自分に嘘をつかなくても良かったと気付ける
『自分に嘘をつかない生き方』の一番の贈り物は、「自分に嘘をつかなくても良かったんだ」と気付けることかもしれません。
今まで「仕方がない」「そんなことをしてはいけない」「自分を抑えなくてはならない」と思い込んで自分に嘘をついていたのに、いざ踏み出してみると「大丈夫じゃないか」「素のままで良かったんじゃないか」と思い込みが外れるのです。
もちろん、傷つくこともありますし、失敗してしまうこともあります。
しかし同時に、傷ついても、失敗しても、それでも大丈夫なのです。
自分に嘘をついても傷つくことはありますし、失敗することはあります。
それならばいっそ、『自分に嘘をつかない生き方』を選んでみるのはどうでしょうか。
まとめ

いかがでしたでしょうか。
『自分に嘘をつかない』ということはとてもワガママのように聞こえて、その実とても勇気のいることです。
嘘をついて取り繕っていれば必要以上に傷ついたり怖い思いをしなくても済むかもしれませんが、自分に嘘をつかなくなるとその分怪我をしやすくなるからです。
しかしたとえ傷ついても、大丈夫です。
私たちは今までたくさん傷ついたり凹んだり、悲しい思いをしてもここまで来れています。
これから、自分の気持に嘘をつかない生き方を選択して傷ついても、大丈夫なのです。
・「これが欲しい」「あそこへ行きたい」といった小さな気持ちも大切にする。
・嫌われるかもしれない恐れを持っても良いので、やってみる。
・本当はやめたいこともやめてみる。
・傷ついたり凹んだりした時は、思いっきり凹んで良い。
これらを大切にして、『自分に嘘をつかない生き方』を始めるのは、いかがでしょうか。
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