
自分の気持ちに素直になって生きてみること。
それは、とても大切なことであると同時に一筋縄ではいかない生き方ではないでしょうか。
普段生活していて何気なく我慢してしまっていたり、あるいは妥協してしまっていたり、自分なんてこんなもんか…と諦めたふりをしてしまっていたり。
自分の心の奥底では「いいや、本当はこうしたい」「本当はこう思っているのに」「本当はあれがしたいけど、我慢するしか無いのか…」と葛藤している声が聞こえてくることもあるかもしれません。
自分の気持ちに素直になって生きることができればとても楽な気持ちになり、毎日気を張ったような生き方をせずにすみます。
無理をしすぎたり意地を張りすぎるような生き方が和らぐだけでもとてもリラックスして楽しんだ人生を送れることでしょう。
今回は、そんな自分の気持ちに素直になる生き方について、その難しさと大切さ、コツについてご紹介していきましょう。
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目次
なぜ自分の気持に素直になって生きることが難しいの?

自分の気持ちに素直になって生きることがとても気楽で、とても大切だと感じる一方で実際に行動に移すことが困難に思うのはなぜなのでしょうか。
教育や過去の経験の大きさ
1つの要因としては、幼いころから「他人に気を使った生き方」「迷惑にならないような生き方」「立派な生き方」「情けなくないような生き方」が素晴らしいことであり、そこを目指すべきという感覚を教わっていくことが挙げられるでしょう。
他人の迷惑にならないようにしたり、立派に感じるように生きることは大切かもしれませんが、その一方で自分の気持ちに蓋をして大人になろう、我慢しようと考えて生活してしまうことも事実です。
自分の気持ちを素直に表現しようとすれば「ワガママ」「世の中甘くない」という風に言われてしまったり、時には怒られたり手を上げられたりしたかもしれません。
自分の気持ちに素直になって生きる、あれがしたい、これがしたい、あれはしたくない、本当はこう思うということを表現すると怒られたり見放されそうになって怖かったことが心に残り「自分の気持ちに素直になることは悪いこと」「いけないことなんだ」と考えてしまうようになるのです。
素直になる=傷つくかもしれない怖さ
幼いころに素直に自分の気持ちを吐き出して怒られたり傷ついてしまったことを深く記憶しており、大人になってからも「自分の気持ちを表現すると怒られるんだ」「また傷ついてしまうんだ」と思い込んでしまっていることが素直に生きることができなくなってしまう大きな要因と言えるでしょう。
素直になりたいけど、素直になれば傷ついてしまうかもしれない、傷つくくらいなら我慢したり自分の気持ちに嘘をついて生きたほうがマシだ、と考えてしまうようになるのです。
素直に生きることができないことの弊害とは?

では自分の気持に素直に生きることができないとすれば、生活にどのような影響があるのでしょうか。
ストレスが溜まり続けてしまう
どのような生活をしていても大なり小なりストレスは溜まります。
しかしながら自分の気持ちに素直になることができず我慢し続ける生き方を選択していればより大きなストレスを感じてしまうことでしょう。
あれも我慢、これも我慢、言いたいことも言えない、やりたいこともできないという状態であれば日常生活でなかなかストレスが解消できず、ストレスは溜まり続けてしまいます。
過度の怒りや悲しみに変わってしまう
自分の気持に素直に生きることができないと心の中にストレスが溜まり続け、やがて怒りや悲しみに変わっていきます。
誰しも怒りを覚えたり悲しみを感じたりするものですが、自分の気持に素直に生きることができないストレスから来る怒りや悲しみは生き方そのものを見直さないと無くなることがありません。
また、「自分が我慢しているのだから周りも我慢すべき」「どうしてみんなわかってくれない」「どうせ自分はつまらない人生を歩む運命なんだ」と周囲への憎しみのような怒りであったり、自暴自棄に近い悲しみが強くなるのです。
本当にやりたいことができない
素直に生きることを選ばないことも1つの人生ですが、もし他にやりたいことがあったとすればそこに手を伸ばせない生き方にもなってしまいます。
自分はあれがやってみたい、こうしてみたいという気持ちに素直になれないので目の前にチャンスがあっても行動に移すことができなかったり、「どうせ自分なんか…」と勝手に諦めてしまうこともあります。
素直に生きることは、自分のやりたいことを素直に選択してみる生き方とも言えるでしょう。
素直に生きることができるとどんな変化があるの?

もし仮に自分の気持ちに素直に生きることができるとどのような人生になるでしょうか。
やりたいことをやって、やりたくないことをやめられる
自分の気持ちに素直になることができれば、自分の中にある「これがやりたい」「あれはやりたくない」という気持ちを尊重して素直に行動することができるのでやりたいこと・やりたくないことについて我慢が少なくなります。
やりたいこと・やりたくないことを自分で全て取捨選択することは難しいかもしれまんせんが、少なくとも素直に生きることができれば「でも…」「どうせ…」「だって…」という風に諦めたり言い訳をすることが減り、極力自分の気持ちに従うことができるのです。
素直に生きることができていない時は、自分の中にあるやりたいこと・やりたくないことについて色々と理由をつけて行動できずにいたり、何かの責任にして逃げてしまうことも多くなるのです。
自分を大切にした生き方になる
何よりも、自分の気持ちに対して素直になるということは『自分を大切にする』ということに他ならないでしょう。
自分を大切にするというのは甘やかす、ということと少し違い、結果や相手の反応にこだわったり何もかにもコントロールをしようということではなくあくまでも『自分の気持ち』を素直に表現して行動することができる、ということです。
自分の本当の気持ちを無理に気持ちを抑えてしまうことは時に必要となることがあるかもしれませんが、常日頃から繰り返してしまうと『自分の気持ち』をないがしろにした行動とも言えてしまうのです。
自分を必要以上に過小評価しなくなる
自分の気持ちに対して素直に生きることができでいない時はどこか『卑屈』な気持ちになっていることがあります。
「どうせ自分なんて…」「どうせムダだし…」「どうせ伝わらないし…」と勝手に自己解決をしてしまい、相手に気持ちを伝えたり自分のやりたいことに挑戦することを投げ出しがちになってしまいます。
自分の気持ちに素直に生きるということは、「自分の気持ちを伝えて良いのかもしれない」「伝わることがある」「やりたいことをやっても良い」「素直に行動してみても良いのかもしれない」という意識が根底にあるので、過度に卑屈な考え方をしなくなっているとも言えるのです。
他人に対しても気持ちよく接することができる
自分の気持に素直に生きることは自分を大切にすること・やりたいことをやれるようになるということだけでなく、他人を大切にしたり気持ちの良い人間関係を築くことにも繋がります。
「どうせ意味がない…」と思い込んでいる時と、「伝わることがあるかもしれない」と考えているときでは行動もコミュニケーションのとり方も変わってくるのは当たり前とも言えるでしょう。
自分の気持ちに素直に行動しているので自分に対しても自信が持てる状態になっており、相手に対しても素直に・敵意や怒りを持つことなく接することができるのです。
自分の気持ちに素直に生きることができず悶々としている状態だと怒りやストレス、悲しみが溢れて他人に対してその怒りや悲しみをぶつけてしまいがちですが、素直に生きることができると他人に対して寛容な気持ちを持つことができるようになるのです。
時には批判されたりぶつかるかもしれない
自分の気持ちに素直になるということは、時に批判や衝突を招くことがあることも否定はしません。
自分の素直な気持ちが必ずしも他の人にとって気持ちの良いもの・同じような気持ちとは限らないからです。
自分のやりたいこと・やりたくないことを素直に表現すると「なんてワガママなんだ」「甘すぎる」と言われたり、時には「もう知らない」「失望した」と言われることがあるかもしれません。
しかしながら、自分の気持ちに素直になることは相手の気持ちをコントロールしたり思い通りに従わせることとは違うことなので避けることができない変化とも言えるでしょう。
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自分の気持ちに素直に生きるためのコツ・方法とは

自分の気持に対して素直になって生きることは自分を大切にする上でとても大切な生き方と言えるでしょう。
では実際に自分の気持ちに素直になって生きたいと思った時はどのような考え方や行動が必要になってくるのでしょうか。
小さなことほど我慢せず素直に表現・行動してみる
自分の気持に素直に生きるには、普段の生活で何気なく我慢してしまっていることを我慢せずに直感に従って行動することが大切になっていきます。
「あれが欲しい」「これがしたい」「あれが食べたい」「あそこへ行きたい」「休みたい」「サボりたい」「家事を休みたい」といったことに対して「そうは言ってもなぁ…」「そんなことできるわけがない」と考えて抑えていることは自分の気持ちに素直になっているとは言えないでしょう。
もし身近に関わる人がいれば「休みたい」「欲しい」「行きたい」と素直に伝えることが大切ですし、自分一人なら「どうせ意味ないし…」と投げてしまうのではなく素直に気持ちに従って行動してみましょう。
値段よりも自分の気持ちを大切にして買い物をしてみる
買い物や食事の際も「安いから買う」「有名だから買う」「評判だから食べる」ということよりも、「なんとなく気になるから買う」「なんか美味しそうだから食べる」ということを意識してみましょう。
周りの評価や意見よりも、「自分がどうしたいのか」を出来る限り自分に問いかけてあげて行動することが大切です。
もちろん周りの意見や評判を取り入れつつも最後は自分で決めて行動してみることも1つの手と言えるでしょう。
やりたい・やりたくないという気持ちを大切にして行動してみる
欲しいものを素直に買ったり食べたいものを素直に食べてみることと同じように、自分のやりたいこと・やりたくないことを気持ちに従って行動することが大切です。
本当は行きたいところがあるのであれば素直に行き、見てみたいものがあれば素直に見てみるのです。
その際に人に相談したり頼ることがあれば素直に「行ってみたい」「やってみたい」と伝えることも大切です。
やりたくないことも実際にやめてみることが大切です。
他の人から批判されたりぶつかることがあるかもしれませんが、結果や相手の反応を求めるのではなくあくまでも『自分の気持ちを素直に表現すること』にフォーカスして行動してみましょう。
結果や見返り・反応を求めて行動するのは「自分を大切にする生き方」から外れて、「相手や周りをコントロールしようとする生き方」になってしまいます。
コントロールしようとすると必ず軋轢が生まれますし、思い通りにいかないことがあるとストレスになったり怒りや悲しみに変わってしまうので本末転倒です。
あくまでも『自分の気持ちを素直に表現すること』を実践してみましょう。
「どうせ意味がない」と思い込みすぎずに行動してみる
自分の気持ちに素直になれていない人は心のどこかで「どうせ意味がないし…」「どうせお金が無いし…」「どうせ愛されていないし…」「どうせ不幸だし…」「どうせ恵まれていないし…」と環境や生まれ、あるいは思い込みから行動する前にすでに諦めてしまっていることが多いでしょう。
過去に経験したことが悲しかったり苦しかったり、傷ついてしまったことが怖くてまた傷つくくらいなら初めから諦めて自分の気持ちを抑えてしまったほうが良いんだ、と考えてしまっているのです。
しかし、「どうせ自分なんか…」「どうせムダだし…」という意識を持って生活をしていると周りにどれだけ素晴らしいものや豊かなものがあったとしても素直に受け止めることができず、「どうせたまたまだろう…」「どうせ長くは続かない」と卑屈な目で見てしまいがちです。
卑屈な意識で物事に向かい合ってもあまり気持ちの良いものではありません。
「どうせ意味がない…」と思い込んで生きるくらいならば「どうせ意味があるかも…」とポジティブに疑って、思い込んで行動してみることが大切なのです。
素直になれない自分を必要以上に責めない
自分の気持ちに素直になれない人は素直になれない自分のことを責めてしまうことも多いです。
「また素直になれなかった…」「どうして自分はこんな人間なんだ…」という自責の念に溢れてはいないでしょうか。
しかし素直になれないことを必要以上に責めてしまう必要はありません。
「素直になれなかったなぁ」と客観的に受け止めることが大切になっていきます。
責めてしまう自分でも良い
素直になれない自分を責めてしまった時は、「自分を責めてしまってもいい」と考えることも気持ちを楽にしてくれることでしょう。
自分を責めやすい人は完璧主義な傾向があったり極端な考え方に走りがちなので、「こうしなければならない」「責めてはいけない」「責めなくてはならない」というよりも「責めても責めなくてもどっちでも良い」という考え方を大切にしてみましょう。
感情をしっかり感じ尽くしていく
自分の気持ちに素直に生きるには、やりたいことをやってみたり伝えたいことを伝えることと同じように『自分の感情に向き合ってあげること』も大切です。
悲しいな、嬉しいな、ムカつくな、許せないな、好きだな、嫌いだな、不安だな、怖いな、焦ってしまうな。
様々な感情が出てきた時にそれらをしっかりと感じ尽くしてあげることも『自分の気持に素直になること』と言えるのです。
特に嫌な気持ちに蓋をしたり見てみぬふりをしようとすると余計に嫌な気持ちが膨れ上がったり、時には自己嫌悪にも繋がることになります。
自分の気持ちを受け入れることを拒絶していると知らず知らずのうちに『自己否定』につながってしまうのです。
逆に、「自分が嫌い」「自分はダメだ」という気持ちも受け止めてみることも大切です。
無理に自分が好き、自分は大丈夫と言い聞かせることも自己否定になってしまうので、あくまでも『ふと感じたこと』を素直に受けとめて感じてみましょう。
自分の気持ちに素直に生きることと自己中心的さとの違いとは?

自分の気持ちに素直に生きることを『自己中心的だ』と捉えられることがあります。
しかし素直に生きることと自己中心的さとは異なる部分があります。
それは、「相手を無理にコントロールしない」ということ、そして「迷惑行為を推奨しているわけではない」ということです。
自分の気持ちに素直になるということは「食べたい」「欲しい」「好き」「嫌い」「行きたい」「行きたくない」「やりたい」「やりたくない」という気持ちを尊重するということ。
それらの感情や行動は相手をコントロールするためのものではありません。
結果的に周りが対応してくれたり変化することがあるかもしれませんが、あくまで「自分はこうしたい」「自分はこう思う」という気持ちを表現することに重きを置いているのです。
伝えたりやりたいことをやってそれを相手がどう受け止めるか、どう対応するかは相手次第です。
時には怒られたり批判されることも避けられません。
また、「自己中心的だ」と言ってくる人がいればその人のほうが相手をコントロールして従わせようとしているフシがあるかもしれません。
また、自分の気持に素直に生きることは「迷惑行為をしよう」ということでは無いことがポイントです。
自分のしたいことが迷惑行為であれば話は別ですが、おそらくほとんどの人は迷惑行為をしたいのではなく「面白いことがしてみたい」「挑戦してみたい」「美味しいものが食べてみたい」といったワクワクするようなことを望んでいるのではないでしょうか。
ただし、自分の気持ちに素直に従って行動したことが結果的に誰かの迷惑に当たってしまうかもしれませんし、時には批判を受けたりすることもあるでしょう。
それでも、「自分の気持ちに素直に行動できた、尊重できた」ということが大切なのです。
結果や見返りではなく、『自分の気持ち』を大切にしてあげられたことが大切なのです。
まとめ

いかがでしたでしょうか。
自分の気持ちに素直になって生きることは時に人と考えが合わなくなったり傷つくことを増やしてしまうかもしれません。
自分の気持ちに素直に生きるということは決して「思い通りになる」ということでは無いからです。
それでも大切なのが「自分の気持を尊重してあげられたか」「自分を大切にできたか」ということです。
自分を大切にすることができて初めて、周りの環境や人に心から感謝や愛情を感じることができます。
我慢や卑屈さ、諦めの感情が大きいのに無理やり「感謝しなくては」「お礼を言わなくては」と思っても自分を苦しめてしまいます。
自分の気持ちに素直に生きることは時に難しいことかもしれませんが、出来る限り尊重してあげて行動することが必ず人生をより身軽に、愛情に満ち溢れたものにしてくれることでしょう。
・安い・高いや評価よりも「自分は好き」「なんとなく気になる」を大切にする
・やりたいこと、やりたくないことを正直に表現して行動する
・言いたいことなども「どうせ意味がない」と決めつけずに伝えてみる
・相手や環境をコントロールするのではなく、自分の気持ちを伝えることに重点をおく
・時には傷ついたり失敗することも覚えておく
これらの点に気をつけて生活をしていってみて下さいね。
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