
『今の自分を受け入れよう』。
そんな言葉を耳にする機会がよくあるかもしれません。
今の自分が嫌いでどうしようもない、今の自分を受け入れられなくて苦しいと感じた時にどうすれば良いのか分からずとにかくそんな自分も受け入れるようにすればよいのかもしれない。
そう考えて無理やり自分のことを受け入れようとしてもうまくいかず、うまくいかない自分に対してますます腹が立って嫌いになっていくこともあるかもしれません。
今の自分を受け入れることが簡単なら苦労はしないのにと感じているのならば、今回お届けする中に何かヒントがあるかもしれません。
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目次
今の自分を受け入れるってどういうこと?

今の自分を受け入れるというのは具体的にどのような状態・心理を意味するのでしょうか。
平たく言えば「生まれ、性格、感情」などを受け入れようということ。
どのような努力をしても自分の誕生に関わることや内面的・本質的な性格、感情は根本から変化することは少ないでしょう。
多少の変化、考え方の変化はあったとしても「今までとは違う人間になる」と考えても生まれ持ったものを変えることは自分自身を否定してしまうことにもなってしまいます。
今までやってきたこと、経験してきたこと、これからやりたいことや今どう生きているのか、何をしているのか、どのような感情を持っているのかということをただ「こう感じているんです」「こうしたいんです」「こう思ってました」と特に否定すること無く感じ取れることが『今の自分を受け入れる』ということでしょう。
今の自分を受け入れられない人の特徴とは?

今の自分を受け入れられない人に見られる特徴とはどのようなものでしょうか。
『いつか幸せになれるはず』と思っている
今の自分を受け入れられない人は「今の自分」のことを極端に不幸・悲劇の主人公だと感じていて、「いつか自分は幸せになれるはず」「こんなのは本来の自分じゃない」と未来のことばかりに目を向けていることがあります。
確かにこれからのこと・未来のことに思いを馳せて努力したり理想を描くことも楽しく大切な部分もありますが、「いつか」「今はまだ違う」といつまでも将来の自分、未来の自分が幸せになることを夢見ていると『現在の自分』を疎かにしてしまいます。
将来の自分や未来に幸せがあるから今は我慢しようと考えすぎると無意識のうちに「今の自分は認められない」「今の自分は不幸で受け入れられない」と判断してしまっているのです。
今の自分にある素晴らしさ、幸せさに気付けなければいつまでたっても「自分を受け入れること」ができないまま生きることになるかもしれません。
自分に欠点やできないことがあってはならないと考えている
今の自分を受け入れられない人の多くは、欠点と思うこと、できないと思うことが自分の中にあってはならないと考えすぎてしまっている可能性があります。
そもそも欠点やできないことというのは1つの側面で見た時に欠点・できないことと捉えられるだけで、違う見方をすれば長所であったり他の人にとってはとても素晴らしいものに見えることがあるのです。
自分が自分で「これは欠点だ」「これはダメだ」とジャッジしてしまっているために、少しでもダメだと思う部分があれば即座に「自分を受け入れ拒否」状態にしてしまうのです。
立派な人・偉い人にならなくてはいけないと考えている
自分を受け入れられない人の特徴として自分に対して「立派にならなくては」「偉くならなくては」「資格やお金をいっぱい手にしなくては」と追い込みをかけていることがあります。
もちろん人に優しくしたり貢献したり、資格やお金を得ることは素晴らしいことです。
しかし自分を受け入れられない人は「自分を受け入れるために」資格を手にしたり立派にならなくてはならないと考えすぎてしまっているのです。
純粋な「資格を得たい」「お金を得たい」「優しくしたい」という気持ちと同時に「立派にならなくては人には受け入れてもらえないんだ」と考えてしまっているのです。
このように「条件付き」でしか自分を受け入れられないと資格やお金、人間関係を失ってしまったときにひどく絶望して再び自分のことを受け入れられなくなります。
その結果人や物、アルコールやギャンブルなどに依存して気持ちを落ち着かせようとすることにもつながってしまうこともあるでしょう。
今の自分を受け入れられない理由とは

今の自分を受け入れられないのはなぜなのでしょうか。
その多くの要因は過去の経験の中にあります。
条件付けの愛情を受けたと感じている
幼いころに「良いことをしたら受け入れてもらえる」「親や大人の気に入らないことをしたら拒絶される」というパターンを繰り返し経験していると、大人になってからも「他人から見て良い自分」でないと受け入れられないんだと思い込んでしまうことがあります。
親や大人はあくまでも一人の人間としての基準で褒めたり怒ったりしたのですが、幼い自分にとっては「大人に受け入れてもらえない行動はダメなんだ」と判断してしまいがちなのです。
大人になってから自分自身で「これは受け入れられる自分」「これは受け入れられない自分」と厳しくジャッジしてしまうようになっていることがあります。
心の奥で拗ねて諦めてしまっている
過去の経験で「自分は受け入れられない存在なんだ」と思い込んでしまった人は、大人になってからも「どうせ自分なんて受け入れられない存在なんだ」「もういいや」と自分のことを諦めてしまっていることがあります。
本当は「もっと楽しくしたい」「もっと楽になりたい」と思っている一方でどこか「どうせ自分なんて…」「どうせ意味ないんだ…」と思い込んでいるのです。
この諦め・拗ねた気持ちを認識しないとなかなか自分のことを受け入れることができません。
心のどこかに「自分なんてムダな存在だ」「何をやっても意味がない」と感じてはいないでしょうか。
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今の自分を受け入れられないとどんなことが起こるの?

今の自分を受け入れられないとどのような状態になってしまうのでしょうか。
自分を潰すほど頑張りすぎてしまう
努力すること・頑張ることはとても大切で良いことでもありますが、自分を受け入れられない人は過剰なまでの努力や頑張りをしてしまい精神的に自分を追い詰めすぎてしまう傾向があります。
頑張らない自分はダメ、何もしていない自分はダメなんだと感じて常に追われるように仕事や勉強をします。
結果が伴えば良いのですが、時に失敗したり苦しくなったときにも休めずに自分を責めてひどいときには病気になってしまうこともあります。
幸せなことや素晴らしいことを受け取れない
今の自分を受け入れられない人は目の前に素晴らしいこと・幸せなことがあっても「いやいや、自分にはふさわしくないだろう」「自分には合っていないだろう」と自ら楽しいことや興味のあること拒絶してしまうことがあります。
それだけではなく、あえて「自分を受け入れられなくなるような物事」を選び取ることもあるのです。
自ら嫌なこと・やりたくないことを選択して「やっぱり自分は嫌だ」「やっぱり自分は受け入れられない」と再確認しようとするのです。
この「自ら不幸を選びとる」行動を無意識のうちに取ってしまっているのでますます自分を受け入れることが困難になることでしょう。
今の自分を受け入れるための5つの処方箋

今の自分を受け入れるための方法を5つご紹介していきましょう。
「どうせ素晴らしい」と言ってみよう
自分のことを受け入れられない人は「どうせ自分なんか」「どうせ無理なんだ」ど無意識のうちに自分のことを否定する癖がついてしまっていることがあります。
この「どうせ無理なんだ」「どうせ自分はダメなんだ」という無意識の言葉はとても強力なもので、知らず知らずのうちに自分のことを否定したり蔑んだり受け入れられない存在にしてしまっています。
そこでこれからは「どうせ自分は素晴らしい」「どうせ愛されている」「どうせ認められている」とポジティブな『どうせ』を使ってみて下さい。
ポジティブなどうせを使用することで無理なく無意識のうちに「自分は愛されているんだ」「自分は認められているんだ」「自分は受け入れられて良いんだ」と感じられるようになります。
この手法はカウンセラーの心屋仁之助さんもオススメしている方法で、今の自分でも「どうせ」素晴らしいんだ、「どうせ」受け入れても良いんだと自分に対して安心感を覚えられるようになるので大変オススメです。
感情を感じ尽くそう
今の自分を受け入れられない人はとにかく「感情」を否定する癖が強いかもしれません。
ふと湧き上がった感情を「いけない考えだ」「ダメな感情だ」と裁いてしまって自分の素直な気持ちを否定してしまっているのです。
感情に良し悪しは無く、自然と湧き上がってくるものということを前提にしてみましょう。
今までは「悲しがってはダメ」「怒ってはダメ」「わがままになってはだめ」と自分の中のすこしネガティブに感じるような気持ちを抑えつけていたかもしてませんが、出来る限り「悲しいな」「嬉しいな」「ムカつくな」「言いたいな」と感じてみましょう。
感情に罪はありません。
色々な感情を感じ取ってみることで自分のことも受け入れやすくなることでしょう。
「いつかやりたい」を「今」やろう
今の自分を受け入れられない人は「未来の自分ならできるはず」「未来の自分なら買えるはず」「もっと成長してからやろう」「いずれ言おう」と、本来の自分がやりたいことを『いつか』やろうと先送りにしてしまっている可能性があります。
『いつかやろう』『いつかできるはず』と考えすぎていると「今の自分はまだまだだからできない」「今の自分ではやってはいけない」「今の自分は未熟すぎる」と無意識に感じてしまいます。
『いつかやろう』『もっと成長したら』と考えて先送りにしている限り「今の自分」「今の自分の力」「今の自分の素晴らしさ」を否定し続けます。
「いつかやろう」「いつか買おう」「いつか行こう」と考えていることを『今』やってみましょう。
いつかできるはずと考えていたことを今踏み出してしまえば「なんだ、今の自分でもやっていいんだ」「今の自分でも良いんだ」と感じられるようになります。
「素晴らしい人間になってから自分を受け入れてやりたいことをやる」のではなく「今すぐに自分が本当に欲しいものを買って、本当にしたいことをして、本当に行きたい所に行ってみる」ことが大切なのです。
今の自分の状況で「自分がいつかやりたいこと」「いつか買いたいもの」「いつか行きたいところ」を実行することで、『今の自分でも良かったんだ』と気付けるのです。
やりたくないことをやめてみよう
やりたいことをやることの一部として、『やりたくないことをやめてみる』ということも大変有効です。
「やりたくない!」というのも自分の中の自然な感情の1つですのでそれを尊重して実行することで、自分のことを大切にすることに繋がって自然と自分のことを受け入れやすくなります。
簡単なことからでも良いのでやりたくないことをやめてみましょう。
「無理に人に合わせたくない」「無理に頑張りたくない」と思うことなどを少しづつ行動に移してみましょう。
全てに許可を出そう
これまで挙げたことも含めて全てに対して「許可」を与えてくことも大切です。
「やりたいことをしても良い」「〜に行っても良い」「〜を買っても良い」ということと反対に「〜しなくてもいい」「やりたいことをやらなくてもいい」「失敗しても良い」ということも許可します。
全ての行動・感情に許可を与えていくことで自分の中・外が全て許されていくのです。
ノートやメモ帳に「〜しても良い」「〜しなくても良い」という言葉を書き出してみることもオススメします。
また、許可したことを『実際に行動に移してみること』もオススメします。
実際に行動に移してみても良いんだということを知ればますます「自分は良いんだ」「自分は今のままでも素晴らしいんだ」と感じ取りやすくなることでしょう。
注意点
今の自分を受け入れる時に大切なのは、「受け入れられない」という自分をも責めずにいてあげることです。
受け入れられないようなものを無理矢理に受け入れようとする必要はありません。
しかし、理屈や理論で「受け入れよう、受け入れよう」と思ってもなかなか腑に落ちることもありません。
実際に「行動に移すこと」が大切です。
行動とは「やりたいことをやる」「やめたいことをやめる」ということです。
「いつかやりたい」「受け入れられるような立派な自分になってから行動する」のではなく、今どのような状態・自分であってもやりたいことをやってみるのです。
今の自分でもやりたいことをやってもいいということを知ることで自分を受け入れる気持ちが少しでも持てるようになるでしょう。
まとめ

いかがでしたでしょうか。
「今の自分を受け入れる」ということは難しいこともあります。
しかし「今の自分でも良い」と感じられるような行動を取ってみたり「どうせ愛されているんだ」と言い聞かせていくことで少しづつ心が軽くなっていくことでしょう。
素晴らしいことをしたり立派なこと、大変なことや偉いことをしたら自分を褒めて受け入れるのではなく、今何も無いと感じているような自分の状態で「やりたいことをやってみる」「買いたいものを買ってみる」「やめたいことをやめてみる」ことが大切なのです。
今この瞬間心の底から望むことに踏み出してみることで、「なんだ、今の自分でも良かったんだ」と感じられるのです。
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